熊本信用金庫 金融機関コード:1951

  

金庫概況

【2023年度の業績】

預金

2024年3月期末の預金残高は181,184百万円となり、期首比3,959百万円の増加となりました。
内訳は、流動性預金が1,177百万円増加し、定期性預金は2,782百万円の増加となっております。
流動性預金に関しましては、営業店が取引先とのメイン化を図り、売上代金の振込や他行流動性預け替え依頼を行い、一定の滞留には繋がったものの、法人は147百万減少し、個人は他行からの預け替えや物価高等の影響による消費支出の抑制継続もあり、1,324百万増加しました。
定期性預金に関しましては、相続、お客様の投資志向等での満期による払出が大幅に増加しましたが、当金庫100周年を記念して2023年6月~2024年3月までの10か月間キャンペーンを行い、10,668百万円獲得したこと、公金2,991百万の増加もあり、定期性預金残高は2,782百万の増加となりました。
また、相続預金を対象とした「相続定期預金」や退職者向けの「退職金専用定期預金」、年金受給者向けの「寿定期預金」や子育て支援の「多子家族応援定期預金【子宝】」等の金利上乗せ預金商品につきましては、2023年度も好評を博し、地域の皆様から多くのご支持をいただきました。
今後も、将来の人口減少問題も強く意識し、基盤拡充を実現すべく、取引軒数増加と複合取引を推進し流動性預金残高増加に努め、定期積金や小・中口定期預金の増加へも繋げ預金増強に努めて参ります。

貸出金

2024年3月期末の貸出金残高は、106,904百万円となり、期首比2,419百万円の増加となりました。
内訳は、営業店全体で2,387百万円の増加、地公体向けで31百万円の増加となっております。コロナ関連融資の影響が大きかった3年前に比べ伸びは鈍化しましたが、資金相談には丁寧に対応していることや不動産、建築業者からの信頼を得ていることで住宅ローン紹介案件も増加し、また、個人ローンについては期首比495百万円の増加となりました。
当金庫は、地域に根差し、きめ細かな金融に徹することで、地域の皆様から信頼をいただき、育てられてきました。それは、地域経済発展のために、起業支援、創業間もない企業の育成、成長期の企業への資金応需など、企業のライフサイクル、個人のライフステージに合わせた質の高いサービスを提供してきた結果と自負しております。
今後もフットワークを活かし、「人間力」・「スピード力」・「目利き力」・「つなぐ力」を強化して、コンサルティング機能を充実させて参ります。また、本部では月に5回のペースでくまもと産業支援財団よりコーディネーターに来ていただき、営業店のお客様向けに「よろず支援拠点出張相談会」を開催し、お客様ごとの悩みや相談の解決に積極的に取り組んでいます。地元の皆様に信頼され、最も身近で相談しやすい、安心して頼れるパートナーとなれるよう精進を重ねてまいりますと共に、利便性の高い事業性資金や個人リテール資金の安定供給と取扱い増加に努めながら、お客様方や地域の発展・活性化に繋がる営業活動を行うことで貸出金の増強に繋げて参ります。

損益

2023年度は、貸出金利回りを維持しつつ貸出金期中平残を増加させることが出来たため、貸出金利息は前期比80百万円の増加となり、運用利回りの改善により増加した余資運用での収益と合わせ、資金運用収益は2,687百万円(対前期比106百万円の増加)となりました。加えて、役務取引等収益や団体信用生命保険配当金、金融派生商品収益の増加、貸倒引当金戻入益の計上などにより、経常収益は2,996百万円(対前期比162百万円の増加)となりました。一方の預金につきましては、預金残高の増加により支払利息が若干増加し、資金調達費用は29百万円(対前期比3百万円の増加)となり、資金運用収支は対前期比で103百万円の増加となっております。また、経費につきましては、賃上げや100周年記念手当の支給による人件費の増加や創立100周年記念事業による物件費の増加などで経費全般が増加した他、国債等債券償還損の計上や貸出金償却の増加などにより経常費用は2,508百万円(対前期比184百万円の増加)となり、経常利益は488百万円(対前期比22百万円の減少)となりました。さらには、2022年度は特別利益に計上された消費税還付金が2023年度はなかったこともあり、最終的な当期利益は382百万円(対前期比40百万円の減少)となりました。

自己資本比率

2023年度の自己資本比率は10.71%となりました。比率の分母となるリスクアセット額が貸出金残高増加の影響で前期比1,431百万円増加の82,948百万円となったものの、今期も内部留保を増加させることが出来、比率の分子となる自己資本額が前期比263百万円増加の8,886百万円となったため、前期の10.57%に比べて0.14%上昇し10.71%となりました。
なお、2023年度の自己資本比率の開示にあたっては、2014年3月31日より適用された新規制に基づいて開示しており、自己資本比率の国内基準は4.0%以上でありますが、当金庫の比率は本年度もこれを大幅に上回っており、十分な健全性が確保されております。