熊本信用金庫 金融機関コード:1951

  

「地域密着型金融の取組み状況」につきまして

熊本信用金庫と地域社会~「地域になくてはならない信用金庫」を目指して~

 「地域密着型金融」とは、金融機関がお客様との間で親密な関係を構築し、それを長期間に亘って維持することでお客様に関する"情報"を蓄積し、その情報を基に最適な金融商品・金融サービスの提供を行う「ビジネスモデル」です。
 それは、「地域社会に密着し、金融業務を通して企業と家庭、そして郷土くまもとの繁栄に奉仕し、延いては日本経済の発展に寄与する」という、当金庫の「基本理念」そのものと言っても過言ではありません。
 熊本信用金庫は、今後ともこの理念の達成に真摯に取り組み、中小企業金融の円滑化を通じて、地域経済の再生や活性化、持続的発展に貢献してまいります。

平成25年度の主な取組状況につきまして

 平成25年度は、アベノミクスにより本格的景気回復への期待が高まった一方、円安等による燃料費・原材料費の高騰の影響を受け、コスト増から依然として経営が低迷し続けている地元中小零細企業が見受けられました。また金融円滑化法が平成25年3月に終了したことにより、中小企業の皆様は今後の事業への影響を懸念されたことと思います。そのような状況を踏まえ、当金庫は金融円滑化法終了後もその趣旨を踏襲し、様々な金融支援へのご相談に真摯に対応し、お取引先の業況回復や資金繰り改善及び地域経済の活性化や発展を図ることを目的に、積極的な経営支援活動を展開いたしました。特に公共機関や第三者の専門機関と連携し、「つなぐ力」を強化することで、第三者の知見を活用した最適なソリューションの提案を行ってまいりました。

地域事業者様に対する支援の取組み

「経営相談会」、「個別相談会」の実施について

 当金庫は、中小企業再生支援協議会と連携し、年2回定期的に経営相談会を開催しております。また、来店が困難な事業者様や、お時間の都合がつかないお取引先には、当金庫職員および専門の相談員が事業所を訪問するなどして個別相談会を実施してまいりました。経営課題が複雑化する中、専門家を交えての相談会を通じて最重要課題を浮き彫りにし、事業者様の状況に応じて様々な専門機関を利用した支援施策をコーディネートすることで、経営改善のアドバイスのみならず、経営改善計画書の策定支援も行っております。

《これまでの取組み状況》
『経営相談会』

回次第3回第4回第5回第6回
実施日H24年9月5~6日H25年2月21~22日H25年9月18~19日H26年3月12日
相談実施数 8 事業者 7 事業者 4 事業者 2 事業者
相談実施業種 メガネ販売業、建築資材販売業、中古車販売業、精密機器製造業、電気製品販売業、油類販売業、建築内装業 ビル清掃業、出版業、建築業、小売業、ガラス・サッシ施行販売業、土木建設業 防水工事業、リネンサプライ業、旅行業、包装資材卸売業 建設業、自動車整備・販売業

累計相談実施数  36 事業者
『個別経営相談会』

実施日H23年8月23日~H23年9月16日H24年10月4日~H24年11月15日H25年3月15日H25年9月6日~H25年12月19日
相談実施数 2 事業者 3 事業者 1 事業者 7 事業者
相談実施業種 飲食業、雑貨小売業 玉子販売業、設備工事業、古物販売業 ソフトウェア開発業 中古車・衣料品販売業、コンビニ経営、プラスティック製品加工業、飲食業、小売業、菓子製造業

累計相談実施数  13 事業者

『経営相談会』、『個別相談会』における各事業者様に対するソリューションの提案状況

・事業の継続可能性に向けた提案 ・・・ 6 事業者に対して、 事業承継に向けた提案、事業撤退に向けた提案、廃業に向けた提案、債務縮小に向けた提案などを行ないました。
・再生計画策定支援 ・・・ 15 事業者 うち、再生計画策定済み 12 事業者
再生計画策定中  3 事業者

「経営改善計画書」策定支援の状況および実績

 地元中小事業者の皆様への「資金供給」や「相談・支援活動」を通じ、地元中小事業者の皆様の間に存在する、「新たな事業展開や新商品の開発に関する情報」を「収集・集積・活用」することが、地域経済の「面的な再生・活性化」に貢献する手段に成り得るとの考えに基づき、平成18年6月、熊本県内4信用金庫は「コラボ産学官 熊本支部」を立ち上げました。「コラボ産学官 熊本支部」では、「産・学・官」連携による地元ネットワークを構築し、それを活かして地域情報の「集積・活用」を促進しており、地元の「ニーズとシーズ」のマッチングを図ることとしております。
 平成18年12月には会員の新たな事業展開や新商品開発に対する資金面の支援を目的に、「熊本県信用保証協会」と連携した「コラボ産学官熊本支部融資保証制度」も創設しております。 これは、技術革新や新商品の開発等、新しいビジネスモデルの構築や事業化に繋がる可能性を秘めた新技術は、地元中小零細企業者間にも十分存在しているものと思われるものの、事業者自身がその事業の「付加価値」や「特異性」に気付かないままとなっていることもあることから、それらを活かすための「情報の収集」、「活用・橋渡し」を担う仕組みを資金面も含めて整備し、具体的な成果に結び付けることを目的とするものです。そのために、「企業ニーズに関する情報」や「産・学・官との共同研究の進め方」等に関する情報をデータベース化し、「異業種間交流」の機会も創設することで産・学・官の「橋渡し」を行い、「ビジネスマッチング」成立の可能性を広げることを目指して「コラボ産学官研究交流会」を定期的に開催しているところです。
 平成23年度中では、9月には県内4信金による「協働化事業」の一環として「ゆめタウン㈱イズミ」との間で「ビジネスマッチング」、11月には九州北部13金庫が主催した「信金合同商談会」の視察・見学会、同じく11月に会員・取引事業者向けの「アンケート調査」、24年2月には「第8回研究交流会」等を開催し、ビジネスチャンスや販路拡大の機会が生まれることを期待して、会員相互間やバイヤーに対して企業紹介等の活動を行なっております。「産・学・官」との共同研究の成果につきましては、これまでに「4件」の事案を提携大学に紹介し、うち「1件」につきましては、既に大学との共同研究を経て製品化も終了し、前記「保証制度」を活用した事業展開のための資金供給も実施しております。
現在、熊本県をはじめとした産業を支援する機関、金融機関等が連携し、総合的・継続的な支援活動を行うことで、高付加価値を生み出すリーディング企業を創出・育成しようとする事業が展開されておりますが、くまもと経済活性化の鍵を握ることになると思われる、この「リーディング企業育成事業」には、当然当金庫も参画しております。
 当金庫は、今後も地方公共団体や中小企業関係団体等、関係機関との連携を強化し、地域で展開される各種活性化プラン等へ積極的に参画することで、地域金融機関としての役割を果たしていく所存です。

地域や利用者に対する積極的な情報発信

 当金庫では、平成21年から毎年、お取引先に対して「アンケート調査」を実施いたしております。「地域事業者の経営に関する声」を直接聞き取り、取りまとめた集計結果や分析結果をお取引先や地域事業者の皆様にフィードバックすることで、経営課題とすべき問題点を提起させていただいたり、それらへの対応を提案させていただくキッカケにしたいと考えております。今後とも、課題解決のための「つなぐツール」として活用していくと共に、地域事業者の皆様に対しては、積極的な情報発信を継続していく方針です。